仕事を休み始めて、しばらくは、毎日涙が出たり、胸が苦しくなったり、嫌なことを何度も思い出したりして、何もする気がおこりませんでした。
何もしていないのに、悲しくて、息をするのも苦しいんです。
でも、何よりも良かったのは、夫が優しくなったことです。
「何で今まで何も言わなかったんだ。」と、いろいろと今までの話を聞いてくれました。
夫は、長年、中学校の教師をしてきて、子どもが小さい頃も、晩ご飯を家で食べることができない程、帰りが遅く、休日も、部活があり、家にいないことも多かったです。
そして、経験のない小学校で、教務主任になって、忙しさは増しているようでした。
その上、体の調子があまり良くなくて、私のことを顧みる余裕もないようでした。
また、専業主婦の母親のいる家庭で育ってきており、家のことは、嫁がするのが当たり前、という考えの人でした。
それで、私の母親に料理や育児を手伝ってもらってはいましたが、私の母のいない時間の育児はもちろん、掃除や洗濯、買い物などの家事はすべて私の仕事でした。
私より5歳年上ということもあり、私は夫が怖くて、文句が言いたくても何も言えず、我慢していました。
「仕事がやめたい。」と言えば、「やめればいいよ。」と言われるだけでした。
それが、主人も、心療内科の先生に会って、話を聞いたり、「家事を手伝ってあげてね。」とその先生から言われたりすることで夫の考えが変わったようでした。
何と、洗濯をしてくれるようになったのです。
すると、ゆっくりとですが、だんだんと体が動くようになり、食欲も出てきました。
近所の散歩をしたり、家事をしたりすることがだんだんできるようになって、また仕事をやりたい、という意欲が沸いてきました。
そして、10か月間休んで、次の年度の初めの4月から、何とか職場に復帰することができました。