学校の怪談

家庭訪問に行って、霊視されてしまう!


10年以上前、2年生を受け持ったとき、Sくんというやんちゃな男の子がいました。

坊主頭で目がくりっとして、小柄で、かわいいのですが、友達に悪口を言ったり、叩いたり、掃除をさぼってどこかに行ってしまったりと、毎日問題をおこしていました。

ある日、S君の問題行動のことで、夕方、学校のすぐ前にある、S君の家を、教頭先生と二人で、家庭訪問しました。

玄関を入ると、神棚のようなものがあって、S君の母親から「先生、お参りしてください。」と言われたので、手を合わせました。

そこで初めて、S君の母親は、いろいろな人から相談を受けてそれに答える、今でいう「心理カウンセラー」のような仕事を自宅で開業している、という話を聞きました。

Photo by Corey Sitkowski on Pexels.com

そして、「私は霊を見ることができるんです。ほら、今も、学校の屋上に、去年、交通事故で亡くなったA君が立っていますよ。」と言い出しました。

私は、だんだん怖くなってきて、「早く帰りたいなあ。」と思っていました。

すると、突然、その母親は、私の背後をぼんやりながめながら、「先生は、どうせ来年、この学校にはいませんから。」と、予言めいたことを言いました。

その頃、私は、転勤するつもりも、退職するつもりも全くありませんでしたので、「ふうん、適当なことを言っているな。」ぐらいにしか、思っていませんでした。

そして、そのことについては、すっかり忘れていました。

その年は、その後も、S君やその他のやんちゃな子たちで、毎日喧嘩ばかりの、大変な毎日でした。

しかし、へとへとになりながら、何とか1年間を終え、4月を迎えました。

Photo by Ike louie Natividad on Pexels.com

次の年度は1年生の担任、そして、初めての学年主任になりました。

教師になって2年目の男の先生と4年目の女の先生と私、の3人のメンバーで、学年を受け持ちました。

私は初めての学年主任ということで、二人の若い先生たちに、いろいろ教えながら、張り切って4月、5月と過ごしました。

しかし、私が受け持ったクラスは、発達障害の子が異様に多く、その子たちの対応に追われ、毎日疲れ果てて、食欲がなくなり、だんだん痩せてきてしまいました。

そして、6月に入ってすぐ、ついに、急に気持ちが落ち込み、「うつ」と診断され、療養休暇を取ることになってしまったのです。

結局その年度中は、仕事に復帰することができず、10か月間休暇を取り続けました。

その後、しばらくして、H君の母親から、「来年、あなたは、この学校にいないから!」と、予言されていたことを思い出したのです。

予言がほぼ当たってしまい、ぞっとしたことを、今でもよく覚えています。

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